小学生の部
優秀賞
新型コロナと五輪 光と影
佐久市・岸野小6年 橋詰 きよさん
頑張りと反対意見を対比
「陸上と水泳を習っていて東京オリンピックを楽しみにしていました。でも、新型コロナの感染拡大で開催に反対する意見もあることを知りました。そんな中でも頑張る選手を応援したいと思いました。五輪の記事を全て切り抜き、光と影に分けて選びました。「光」は頑張る選手の写真を、「影」は印象的だった見出しを中心にまとめ、黄色と黒で対比させました。たくさんの人が頑張って開催されたことを知ってほしいです」
温暖化の進んだ先にある未来 わたしたちはどうする?
松本市・山辺小6年 藤沢 花純さん
増えた水害、対策考えたい
「週に一度まとめて新聞を見ていますが、温暖化の記事が意外と多く、調べてみました。温暖化は気温だけでなく水にも関わり、陸や海の水がどんどん蒸発して地球の水の循環が激しくなり、豪雨や河川の氾濫、土砂災害を増やしていました。作品は気温上昇を伝える記事と、関連の大雨や防災の記事を並べ、頭に入りやすいよう工夫しました。周りの自然を大事に、自分ができる温暖化対策を日々考えていけたらなと思います」
みんなで護ろう動物たちの命
辰野町・辰野西小5年 浜 康太郎さん
守りながら苦しめている
「新聞を読んでいて、動物の記事は写真が載ってよく目につくので集めてみました。記事は、『人にまもられ生きる』など三つのテーマに分けて見出しを付けました。人間は、数が減っている動物をいろいろな方法で守っています。でも、人が出したプラスチックのごみを食べてしまう動物もいて、苦しめている現実もあります。分別したり、ごみ拾いの活動に参加したりして少しでもごみを減らせるように協力したいです」
ライチョウを絶滅から守ろう!
辰野町・辰野西小5年 松田 実久さん
山のすみかに危険が迫る
「新聞でライチョウのひなの写真を見て、かわいかったので興味を持ちました。記事を集めると、絶滅しないように多くの場所で保護活動をしていることが分かりました。記事はテーマごとに見出しを付け、大事な部分には線を引きました。最近は、登山者が出す食べ物のごみなどが原因で、標高が高い山で熊が目撃され、ライチョウのすみかにも危険が迫っています。山に行ったらごみを持ち帰り、保護活動に協力したいです」
長野県っておいしいね 収かくの秋~2021~
長野市・信大付属長野小4年 三原 豪さん
果物の話題、調べると豊富
「クラスでリンゴを育てていることもあり、ブドウや桃、ホオズキなど、ほかの果物についても調べてみようと思って新聞のスクラップを始めました。たくさんの記事を絞り込むのには苦労しましたが、果物のシールを作って貼ったり、人の目のマークを書き込んだりして、どんな人が見ても分かりやすくなるように工夫しました。これからは、海外のニュースなどもテーマにして、いろいろ調べていきたいと思います」
熊!出没注意!!
飯田市・浜井場小4年 神藤 航さん
伊那谷で目撃、危険性知る
「新聞を読んでいたら『熊警戒』というマークがたくさんあり、気になって記事を集めてみました。長野県の地図に記事で出てきた地名の場所を赤く記すと、山に挟まれた伊那谷で多く目撃されていることが分かりました。出没の原因、遭遇時の対処法、行政の対応などは文章から抜き出してまとめ、見た人が注意できるように工夫。分からない漢字があったり時間がかかったりして大変でしたが、危険性がよく分かりました」
新型コロナに負けるな!!!2020+1東京オリンピックパラリンピック
高森町・高森北小2年 尾地 悠進さん
最高の笑顔で集まる選手
「幼稚園の時に東京で建設中の国立競技場を見ました。パラリンピックの水泳の観戦チケットが当たりましたが新型コロナで応援に行けず、代わりに新聞で調べると手足や目などいろんな障害のある人が泳いでいると知り驚きました。開会式は、感染対策でカメラマンが近くで撮れないから遠めの写真なのかなと考えました。世界中の選手が最高の笑顔で集まっている写真を見て、2024年のパリ大会も応援したいと思いました」
小学生の部
奨励賞

オリンピックから見えた~人それぞれの考え~
堤小万智さん(佐久市野沢5)

2020+1夏の信州にいやされる
片井翔太さん(佐久市岸野6)

信州にゆかりのある東京オリンピック選手の心に残った言葉
武田優奈さん(佐久市岩村田5)

新聞でお花見!
轟実結さん(長野市松代5)

なぜ減らない「特殊詐欺」~人をだます手口とは~
松沢晃佑さん(白馬村白馬南6)

子どもたちに今、出来ること
牧内莉玖さん(喬木村喬木第一3)
小学生の部
特別賞

子どもの貧困とヤングケアラー
藤本彩花さん(喬木村喬木第一3)
分類・考察に試行錯誤 新たな視点発見
信濃毎日新聞社NIEアドバイザー 元長野市立清野小学校校長 岡本 力さん
新型コロナウイルス問題が広く社会に影響を及ぼし、感染対策に注意を払いながらの生活が続いています。本年度も、小中学生が新聞記事から見いだした課題と自分なりの思いをまとめたスクラップ新聞がたくさん集まりました。
小学生の部は、新型コロナと東京五輪・パラリンピックの関連を考えた作品が多く、感染拡大の懸念と大会開催への揺れる思いがありました。長野県のニュースと温暖化や野生動物との関わりなどを考えた作品からは、地球規模の今日的課題が自分の身近にあることに気づき、行動を呼び掛けています。
中学生の部は、新型コロナに関連した働き方や人権のほか、アフガニスタン情勢や環境、高齢化社会などの問題を多くの作品が多角的な視点で考察、課題解決に向けて追究していました。宇宙や鉄道といったこだわりのテーマで記事を集めた作品も個性があり、視点の持ち方や考え方に驚きや共感を覚えました。
小中学生ともに、読者を引きつけるレイアウトの作品が多くありました。テーマに沿ってスクラップした記事を分類・考察し、関係づけて配置していく。完成までの試行錯誤が想像できます。その過程に、社会への関心の高まりや視野の広がりがあるからこそ、自分の思いや考えを大見出しやまとめに表現できるのです。
社会は日々、変化し、新聞は多くのニュースを伝えています。スクラップを続けると、一つの記事では気づかなかった新たな事実や視点を発見し、情報がつながっていきます。そうしたスクラップ新聞作りを通して身につけた考える力、追究する力を発揮し、自分の探究心をさらに大きく伸ばしていってほしいと思います。