2019年10月13日

長野の千曲川決壊 県内1人死亡4人不明

 猛烈な風雨を伴う台風19号が12日夜に県内に最接近し、一夜明けた13日、千曲市から飯山市にかけての千曲川流域で氾濫被害が広がった。長野市穂保では村山橋下流左岸の堤防が約70メートルにわたって決壊。家々が濁流にのまれ、2階近くまで水に漬かった住宅も出ている。自衛隊ヘリなどが取り残された住民らの救助を進めている。
 県によると、千曲川の堤防が決壊したのは1983(昭和58)年以来。
 佐久広域連合消防本部などによると、13日午前7時半ごろ、捜索中だった佐久市中込の男性(81)の遺体が市内で見つかった。同市臼田入沢区では、男性が12日夕に「小学校に土のうを取りに行く」と言って外出したまま連絡がとれていない。東御市では同日午後7時ごろ、千曲川の田中橋近くの道路が陥没し、車3台が転落。1台の3人が行方不明になっている。
 県などによると、流域では長野市穂保の堤防決壊の他、千曲市雨宮など11カ所で濁流が堤防を越える越水が発生。氾濫は千曲市役所付近、長野市松代、長沼、篠ノ井、須坂市、上高井郡小布施町、中野市立ケ花、飯山市街地などに拡大した。上田市諏訪形では約200メートルにわたって堤防が削られ、決壊の恐れが出ている。この影響で上田電鉄別所線の鉄橋が崩れ落ちた。
 千曲川の立ケ花観測所では13日午前3時20分ごろ12・46メートルの水位を観測。83年9月29日に記録した11・13メートルを上回り、過去最高を更新した。
 長野市では最大約4500人が避難。千曲市は午前9時時点で457人が避難している。長野市篠ノ井二ツ柳の特別養護老人ホーム「桜ホーム」では入居者約120人、同市穂保のグループホーム「やすらぎの家すばる穂保」でも9人が孤立。同市下駒沢の県立総合リハビリテーションセンターでも入院患者約40人が取り残された。同市豊野支所近くの高齢者施設でも約160人が孤立しているとの情報もある。県警には午前10時20分現在、55件126人の救助要請が入っている。
 同市赤沼の長野新幹線車両センターも水没。複数の車両が水に漬かり、JR東日本によると、北陸新幹線は富山―金沢間を結ぶ便を除き終日運休する。
 県災害対策本部によると、北佐久郡軽井沢町、上田市、埴科郡坂城町で風にあおられて転倒するなどして負傷者が出ている。
 長野地方気象台によると、大雨・洪水警戒レベルで最高の5に相当し、最大級の警戒や避難を求める大雨特別警報は13日午前3時20分に県内は解除された。
 台風19号は勢力を弱めて「大型の台風」となり、13日午前9時現在、三陸沖を時速60キロで北東に進んだ。

千曲川氾濫で水浸しになった流域。写真中央付近で堤防が決壊している=13日午前7時18分、長野市上野から撮影
多くの車両が水に漬かった長野新幹線車両センター=13日午前7時24分、長野市赤沼