2019年11月24日

被災農家 カタログ販売で支援

 台風19号で被災した北信濃の農家を支援しようと、県内出身や在住の有志が「北信濃農業復興プロジェクト」を立ち上げた。カタログ通販の「地元カンパニー」(上田市)を通じ、農家が来年収穫するリンゴなどの予約を12月から受け付ける。被災地のために何かしたいという思いと被災農家とを結び、息の長い支援につなげる試みだ。
 下高井郡山ノ内町出身で農産物を使った商品開発の助言などをしている山岸直輝さん(29)=東京=が中心となって呼び掛けた。実家はリンゴ農家。長野市赤沼の被災地をボランティアで訪れ、出荷間近で水に漬かったリンゴなどの処分を手伝った。広範囲に及ぶ被害を目の当たりにし、復興に多くの人を巻き込む仕掛けづくりを思い立った。
 かつて働いていた地元カンパニーと連携で一致。東日本大震災などの被災地の産品を集めたカタログギフトに、新たに北信濃の産品を加えることになった。プロジェクトが出荷を希望する農家を募り、カタログギフトの受注に応じて出荷量を割り振るなどの調整を担当。出荷量に応じた代金を農家に配分する。
 出荷農家は今のところ十数軒が手を挙げている。同市豊野町豊野の宮下直也さん(32)は、家族で営むリンゴ畑の半分以上、約1ヘクタールが浸水。今年の出荷を一部断念した。農業を続ける決意だが、周囲には今後について悩む農家もいるといい、「あちこちで果実がたわわに実る光景を取り戻したい」と話す。
 プロジェクトを通じて来年分の出荷を確保することで、「被害農家に営農を続ける意欲を持ってもらえればうれしい」と山岸さん。今後は北信地方の農産物を使った商品開発や被災地復興ツアーなども計画する考えで、「市町村の枠を超えた支援に広げていきたい」と話している。

プロジェクトに参加する宮下さん。果樹園約1ヘクタールが被害に遭った=13日、長野市豊野町豊野