2019年11月30日

県内「被災求職者」167人

 台風19号による被災地域の居住者や、被災事業所から離職して県内各公共職業安定所に求職を申し込んだ「被災求職者」が167人(28日時点)に上ることが29日、長野労働局(長野市)のまとめで分かった。千曲川氾濫の影響で勤務先の生産設備などが浸水し、操業再開の見通しが立たないことから離職するケースが目立つという。同局が台風19号の被災求職者数を明らかにするのは初めて。被災によって多くの人が離職を余儀なくされた実態が浮かんだ。
 被災求職者は、被災した事業所で働いていた離職者や、求職中に自宅の浸水被害を受けるなどした人たち。自宅の浸水被害による復旧対応に追われて求職活動が困難になっている人もいるという。
 167人のうち49人(27日時点)は、被災した事業所が操業再開までの間の一時離職の場合などに、失業保険の給付を認める雇用保険の特例措置の適用を受けた。このほか求職はしていない9人も特例措置の適用を受けた。
 一方、長野労働基準監督署(長野市)は、10月24日〜11月8日にかけて、千曲川氾濫による被害が大きかった長野市北部地区の242事業所を訪問。不在だった事業所を除く192事業所で被災状況を聴取し、9割以上の180事業所で浸水被害を確認した。調査によると、3割強に上る主要産業の製造業では、従業員に一時離職を求める動きもある。
 事業所の片付けや清掃が進む一方、設備の検査の見通しが付かなかったり、故障した設備の修理や入れ替えに時間がかかっていたりして事業再開のめどが立たない事業所も目立つという。
 中原正裕・長野労働局長は29日の記者会見で「雇用の維持、確保を最優先にし、復旧途上の事業所に特例措置の周知と活用を促していく」と述べた。