2019年12月11日

千曲川の国管理区間 越水地点の堤防強化へ

 千曲川の国管理区間のうち、台風19号豪雨災害で川の水が堤防上を越える「越水」が起きた場所について、越水をしても堤防が決壊しにくいように強化する方針で国が検討していることが10日、国土交通省北陸地方整備局(新潟市)への取材で分かった。長野市穂保で決壊した堤防の本格復旧と同様に、越水の影響を受けやすい部分をコンクリートなどで補強する。
 国管理区間で越水をしたのは、長野市穂保の決壊地点を含め13カ所。同市篠ノ井や松代町のほか、中野、須坂、上田、千曲4市と上高井郡小布施町で発生し、各地で浸水被害があった。こうした越水箇所の復旧で、堤防の住宅地側の肩部やのり面下部にコンクリートブロックを設置し、堤防上から流れ落ちる水の勢いで削られるのを遅らせる方針。堤防上はアスファルトなどで保護し、水の浸透を防ぐ。
 長野市穂保の堤防決壊については、国の有識者委員会が、越水により堤防の住宅地側が削られ、水圧に耐えきれなくなったと結論付けた。この場所以外でも越水がさらに続いていれば、決壊する可能性があったとする専門家の指摘もあり、決壊まで至らなかった越水地点も強化することにした。
 強化方法は「危機管理型ハード対策」と呼ばれる工法で、2015年関東・東北豪雨で鬼怒川(茨城県)が堤防決壊したことを受けて導入。堤防のかさ上げなどの整備を早期に行うのが難しい場合での越水対策とされる。
 堤防のかさ上げなど千曲川流域全体の整備は、国と県、千曲川流域の市町村でつくる「信濃川水系緊急治水対策会議」で検討している。