県内77市町村のうち、庁舎に設けた非常用電源が災害時の人命救助で重要とされる72時間以上使用できるのは、38%の29市町村にとどまることが26日、総務省消防庁の集計などで分かった。多くの市町村で燃料タンク容量が不足し、北佐久郡立科町、木曽郡上松町、南木曽町は非常用電源自体がない。台風19号で相次いだ長時間の停電に対し、復旧対応や住民支援の拠点で備えが不十分な課題が浮かんだ。
国の指針は、非常用電源が72時間稼働することが望ましいとしているが、条件を満たしているのは長野市や松本市、飯田市、上伊那郡辰野町など29市町村にとどまった。上田市や駒ケ根市、大町市、諏訪郡原村など29市町村は24時間未満。
使用可能時間の不足は、備え付けの燃料タンクの容量が小さいことが主な要因だ。市役所本庁舎の稼働時間が最大3時間ほどの上田市は、災害時は協定を結ぶ業者などから確保するが、今後は2021年3月に完成見込みの新本庁舎建設で対応を検討する方針。原村も72時間以上使えるよう設備更新を検討するとしている。
一方、タンク容量が18時間分の駒ケ根市は、タンク増設の計画は今のところないといい、災害時は協定に基づき付近のガソリンスタンドから運んでもらい対応する―と説明。大町市は非常用電源の燃料タンクと別に20日以上に対応する容量2万リットルのタンクがあり、そこから補充する。
南木曽町は非常時に庁舎全体の電源を復旧する仕組みはなく、防災行政無線や電話を使えるようにする非常用電源のみ。上松町も防災行政無線用の非常電源はあり、20年度完成予定の新庁舎に全体の電源を復旧させる装置を設ける方針。立科町は「差し迫った災害がなかったこともあってか、設置の議論がされてこなかった」とし、今後検討していきたいとした。
また、洪水などによる浸水想定区域内に庁舎がある県内22市町村のうち、非常用電源が「水害対策済」なのは長野市や松本市、飯田市など15市町村にとどまることも判明。伊那市や飯山市など7市町村は未対策だった。
伊那市役所は天竜川と三峰川が近くに流れるが、大型の非常用発電機は庁舎地下にある。2階以上に上げることを検討中。飯山市は電源設備が庁舎2階にあるが「千年に1度」の洪水では3階まで水没する想定。同市は「災害時には、災害対策本部を別の建物に設置することなども含めて検討していきたい」とした。
2019年12月27日
庁舎非常用電源72時間使用可能 県内29市町村どまり
2019年12月Latest15
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