2020年1月30日

農業用水路の取水施設復旧 一部は今春に間に合わず

 県は29日、台風19号を受けた災害対策本部員会議を県庁で開き、東信地方を中心に被害を受けた農業用水路の取水施設「頭首工」の復旧が、一部は今春の取水期までに間に合わない見通しだと明らかにした。施設の仮復旧や近くの用水路の活用も難しい場合、ソバなど代替作物の栽培を生産者に勧めるとしている。
 県農政部によると、頭首工は県内771カ所が流失や一部損壊、土砂の堆積などの被害を受けた。地域別では佐久、上田両地域が619カ所で全体の8割に当たる。県は今春までに、国の補助金を使った本復旧や仮設水路による仮復旧を急ぐほか、被害が小さい場所では市町村の単独事業で復旧する方針だ。
 だが、河川の護岸工事が完了せず、取水施設の着工時期が不透明な地点も多い。農業用水を十分に確保できないケースも想定している。
 県佐久地域振興局(佐久市)の担当者は会議で「春までの復旧が難しい農地や水を引くことができない田畑が少なからず発生すると想定される。営農再開が難しい農家の支援について市町村や関係機関と協議する」と述べた。
 県はこの日、頭首工を含む公共インフラの早期復旧に向け、部局横断組織「暮らし・生業(なりわい)再建本部」に建設部長を長とする「インフラ復旧チーム」を設置。頭首工や河川沿いの農地の復旧工事は、河川工事の受注業者と随意契約を結ぶなど、効率的・一体的に工事を進める工夫をすると確認した。
 台風19号による県内の被害総額(23日時点)は、2714億8800万円で、昨年12月26日時点の前回把握分より74億2800万円増えた。農業関係の被害額は55億1200万円増の668億2800万円、林業関係も8億400万円増の46億8500万円でそれぞれ確定した。農業関係は、大規模災害の被害額では記録が残る過去40年間で最大という。

佐久市の千曲川にある頭首工。施設が破損、流失するなどの被害が出た=29日、同市勝間