2020年3月11日

「1000年に1度」の浸水想定 千曲川上流 県が区域図公表

 県は10日、千曲川上流部の県管理区間(南佐久郡川上村―上田市)について、1千年に1度の降雨による浸水想定区域図を公表した。千曲川近くに役場庁舎があり、庁舎が浸水区域に入る自治体が複数あるなど想定される被害は広範囲に及ぶ。流域の市町村は今後、浸水想定区域図をハザードマップに反映させるなど水害対策の参考にする。
 これまで100年に1度の浸水想定区域図はあったが、2015年の水防法改正を受け、県は1千年に1度レベルの雨を想定した区域図の作成を進めている。今回の公表はその一環。
 昨年10月の台風19号災害で長野市の浸水範囲は1千年に1度の雨を想定した市のハザードマップの浸水想定区域とほぼ一致。ただ、県はこのレベルの豪雨に対応できるハード整備は現実的には難しいといい「想定を頭に入れて事前の避難などに生かしてほしい」としている。
 公表された想定区域のうち、台風19号で被害が大きかった佐久地域では、佐久市の県道佐久橋下流側で水深の深い浸水区域が目立ち、中込地区や、県厚生連佐久総合病院本院がある臼田地区で広い範囲が浸水区域に入る=図。南佐久郡佐久穂町、小海町、南牧村の各役場が水深10メートル以上の浸水区域に当たる。小海町役場の隣には佐久総合病院小海分院もある。
 佐久穂町の佐々木勝町長は町役場が被災した場合について「機能を別に移したとしても町で対処できる規模ではない。国や県など広域的な対処が必要」と強調。浸水想定区域図に関して「防災にどう生かしていくかは今後検討していきたい」とした。
 佐久市は浸水想定区域図の内容に、避難に関する情報を加えたハザードマップを20年度に作る方針だ。小諸市では一部の避難所や学校が浸水区域に入っており、市は「避難所の見直しが必要となる。まずは影響が出る区に丁寧に説明し、ハザードマップ作成に入りたい」としている。
 東御市では台風19号で被災した県道田中橋付近が水深の深い浸水区域とされた。上田市の国道152号大屋橋付近やしなの鉄道大屋駅一帯も激しい浸水が広がる内容となっている。いずれもハザードマップの更新に生かす。
 県は作成対象の34河川のうち千曲川を含め28河川分を公表しており、県ホームページで見られる。今月末までに残り6河川分を公表する予定。千曲川の国管理区間の区域図は既に公表されている。