2020年3月31日

堤防全体覆う工事に 千曲川 決壊現場付近の左右両岸約8キロ区間

 国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は30日、昨年の台風19号災害による長野市の決壊現場付近の千曲川左右両岸約8キロ区間で、堤防全体を水が浸透しにくい素材やコンクリートで覆う方針を明らかにした。約70メートルに及んだ決壊は、堤防を越えた水流により堤防の住宅地側が削られ、水圧に耐えきれなくなったのが主な原因とされる。新たな「被覆(ひふく)型」堤防の工事により、仮に越水した場合でも決壊がしにくくなるとしている。
 30日夜、長野市内で開いた長沼地区復興対策企画委員会で説明した。対象は長野市と須坂市を結ぶ村山橋から川幅が狭くなる中野市立ケ花付近までの左岸(長野市側)約7・5キロ、右岸(須坂市、上高井郡小布施町側)約8・5キロの区間。特に決壊箇所の上下流500メートル区間の堤防は5月末までに、川側と住宅地側ののり面をコンクリートブロックで覆い、優先的に工事を進めるとした。
 国と流域自治体が2027年度までに取り組む「緊急治水対策プロジェクト」では、堤防の上部や住宅地側ののり面下を強化する「危機管理型ハード対策」を実施するとの方針を示し、堤防の住宅地側のり面の多くは盛り土が露出する構造の予定だった。
 国交省が設置した大学教授らによる技術検討会が25日の会合で、川幅が狭くなる手前の区間などには、被覆型の堤防を取り入れる方向性が示されたという。
 長沼地区復興対策企画委の柳見沢(やなみさわ)宏委員長は、堤防の住宅地側の補強は地元が求めてきた内容だ―と評価。「今後は工事の実施時期や内容を確認したい」とした。

長沼地区の会合で説明する千曲川河川事務所職員ら=30日午後6時7分、長野市