国の2020年度当初予算の成立を受け、国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は31日、昨年10月の台風19号で被害を受けた千曲川の治水対策「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」に18億3800万円を充てると発表した。同事務所は取材に、県内に新設する遊水地について、長野、中野、飯山、千曲の4市の計5カ所が検討地に挙がっていることも明らかにした。
20年度予算は、護岸欠損や堤防の宅地部分が壊れた箇所の復旧工事に充てる。国が県に代わって工事を行う「権限代行」も含め、決壊した長野市穂保の堤防や上田市の上田電鉄別所線の橋が崩落した部分など計35カ所の費用を盛った。
プロジェクトの事業費は19年度補正予算で既に140億100万円を計上しており、合計で158億3900万円となった。5月末までに決壊箇所を含む500メートル区間の堤防全体をコンクリートで覆う工事を行い、越水しても決壊しにくくする。
プロジェクトとは別の千曲川整備では、長野市篠ノ井地区の河道掘削や同市屋島、須坂市福島の堤防強化などに19億9500万円を盛った。
国交省が同日の取材に明らかにした遊水地の検討地は長野市篠ノ井塩崎、中野市上今井、飯山市蓮(はちす)、千曲市八幡と同市中付近の計5カ所。千曲市の検討地には、いずれも霞(かすみ)堤が含まれる。調査などの関連費用は19年度補正予算に計上していた。千曲川河川事務所は「さらに検討を進め、地元に説明した上で、測量、設計に入りたい」としている。
2020年4月 1日
「千曲川治水」18億3800万円 国交省20年度予算


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