2020年4月12日

再建に「経済的問題」55% 被災2地区アンケート

 信濃毎日新聞は昨年10月の台風19号災害から半年を機に、浸水被害を受けた長野市長沼、豊野両地区の被災者102人に生活や住宅の再建状況を尋ねるアンケートを行い11日、結果をまとめた。現在抱えている問題(複数回答)では、預貯金を取り崩すなど「経済的問題」が55%(56人)で最多。「心身の健康・体調」が48%(49人)、「新型コロナウイルスへの対応」が45%(46人)で続いた。
 自宅が半壊以上した住民を対象に、信濃毎日新聞記者が面談や電話で実施。再建や改修する住宅費用(見込み含む)が1千万円を超える人は63%(64人)に上った。「300万円超〜1千万円」を合わせると89%(91人)を占めた。国の被災者生活再建支援制度の支給額は最大300万円。多くの被災者が「経済的問題」を挙げる背景には、多大な負担をしながら暮らしの再建を進めている状況がうかがえる。
 住宅再建費が1千万円を超えると回答した住民のうち、年金受給世帯となる60代以上は全体の半数近くを占める48人。回答者は取材に対し「主な収入は年金。老後のためにためた預貯金を取り崩さなくてはならず、今後の生活が不安」「退職しているので住宅ローンは組めない。子どものために借金は残したくない」といった声も目立った。
 生活再建を図る上で義援金や被災者生活再建支援制度の支給額が「不十分」とした回答は75%(77人)。「十分」と答えた20%(20人)には「改修、再建費用としては十分でないが、もらえるだけありがたい」「支援金の範囲内での改修にとどめる」とする被災者もいた。
 現在抱えている問題で2番目に多かった「心身の健康・体調」。不安やストレスの大きさも影響しているとみられる。2月以降の新型コロナウイルス感染拡大も影を落とす。ボランティアによる食事会や地域の集会が自粛され、被災した自宅や仮設住宅で暮らす時間が増え、孤立感が増しているとするお年寄りも多い。
 生活の安定や地域の復興に必要な期間は3年以上(3区分の計)が85人で8割余を占めた。