2020年5月28日

北陸新幹線 今後1年でダイヤ完全復旧

 JR東日本は27日、昨年の台風19号で浸水被害を受けた長野新幹線車両センター(長野市赤沼)について、今後の浸水対策を公表した。保守基地や留置線は、今後1年程度で元通りにして暫定的に機能を回復。臨時列車を含めダイヤを完全復旧させる方針。センター全体に電力を供給する変電所や、線路の信号を制御する機器室はかさ上げをするため、最終的な完了まで数年かかると見込む。
 センターの浸水により、北陸新幹線(長野経由)全体の3分の1に当たる10編成(120両)が使えなくなった。新造車両の投入時期は1年程度後の見通しで、既に復旧済みの定期ダイヤに加え臨時列車も「水害前の水準で動かせるようにする」とした。
 センターの対策にかかる工事費は約500億円を見込み、車両の検査や修繕を行う車庫には、水の流入を防ぐ止水板も設置する方針。具体的な対策や費用負担は、センターを所有する鉄道・運輸機構と協議して決める。変電所や信号機器室のかさ上げについて具体的な高さを示していないが「数十年から200年に1度」の大雨(計画規模降雨)を想定して対策を進める。
 また「千年に1度」級の豪雨(想定最大規模降雨)を想定し、車両の避難を判断する指標を設ける。対象は約80カ所に上る。河川水位、災害発生リスクを数値化した「流域雨量指数」などの予測を組み合わせ、気象情報も踏まえて総合的に判断するという。
 一方、国土交通省は27日、JR東海、西日本、九州を含めJR各社による新幹線車両基地の浸水対策を取りまとめて公表した。長野を含め全国の計6カ所で車両の避難計画を策定。気象庁の降水量データや河川の水位情報などに基づき、事前に決めた高架駅や別の場所にある基地に車両を避難させ、被害の最小化を図る。
 同省は車両避難を実施すれば、これまで以上に計画運休の開始が早まったり運転再開まで時間がかかったりすると見込んでおり、社会の理解も必要としている。

長野新幹線車両センターの浸水対策でかさ上げする方針の変電設備(手前)=27日、長野市赤沼