県は29日、千曲川、天竜川、木曽川の3水系にある国土交通省の河川事務所や市町村などと大雨に備えた治水協定を結んだ。雨が降る前にダムの水位をあらかじめ下げる「事前放流」をできるようにする協定。長野市穂保の千曲川堤防が決壊した昨年10月の台風19号災害を受けた対応で、大雨時にダムに多くの雨をためられるようにすることで、下流に流れる水を減らし、氾濫を防ぐ。
事前放流は、気象庁が発表する降雨予測を基にダム管理者が判断する。予測される降雨量がダムごとに設けた基準を超える場合に実施する。
県がこの日、千曲川河川事務所などと結んだ協定では千曲川水系の26カ所のダムで事前放流などの洪水調節が可能になった。これまで約4500万トンだった事前放流量は約2億トンまで増えた。
木曽川水系は、県内では味噌川ダム(木曽郡木祖村)、や三浦ダム(同王滝村)など9カ所、天竜川水系は松川ダム(飯田市)と片桐ダム(下伊那郡松川町)で事前放流が可能になった。
昨年10月の台風19号接近の際は、事前放流できる県内のダムは限られ、ほとんどのダムで実施しなかった。近年、全国で大規模な水害が発生していることから、国は自治体や電力会社などが5月までに協定を結び、発電など多目的ダムも含めて事前放流ができるようにするとしていた。
2020年5月30日
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