2020年6月26日

台風被災者 熱中症の不安

 昨年10月の台風19号で被災した長野市で、梅雨入り後も連日のように最高気温25度以上の夏日となり、被災者たちが新型コロナウイルス感染対策に続く暑さ対策に悩まされている。浸水した自宅の改修などのため熱がこもりやすい2階で過ごさざるを得なかったり、冷房を設置する余裕がなかったりする事情も。他県では被災者が熱中症で死亡し、災害関連死として認定されたケースもあり、関係者らが懸念している。
 長野地方気象台によると、長野では今年、梅雨入り前日の10日に35・1度の猛暑日を記録。その後、30度以上の真夏日を2日間、25度以上の夏日を8日間観測している。
 「まだ風が入ってきていいけれど蒸し蒸しするね」。25日、同市豊野町豊野の山浦登さん(80)と妻茂子さん(72)は自宅2階の8畳間で扇風機に当たっていた。気象台によると、この日の最高気温は真夏日一歩手前の29・9度。茂子さんは新型コロナ感染予防のためマスクも着け、いかにも暑そうだ。
 山浦さん宅は台風災害で2メートル余浸水し、被災後はずっと冷房のない2階で生活している。窓を開け、扇風機で暑さをしのぐ日々だ。
 被災前は冷房がある1階で涼んでいた。だが2階に冷房を設置する余裕はない。登さんは「(梅雨明け後の)これからが暑くなる。水分を小まめに取り、夏を乗り切りたい」と話した。
 まとまった雨が降れば気温は下がるが、昨年の浸水被害を思い出し不安になる住民も少なくない。だが晴れの日も被災者にとっては厳しい。
 同市赤沼で1人暮らしする女性(83)の自宅にも冷房はない。周辺では被災した住宅の解体などが進み、日中は土煙が舞い、「窓も開けられない」。
 被災者らの交流拠点を運営する団体の一つ、社会福祉法人「賛育会」などによると、市が借り上げた「みなし仮設」などに住みながら、リフォームや建て替えで自宅に戻り、日中を冷房のない2階で過ごす被災者も少なくない。
 交流拠点の運営スタッフの塚野正展(まさのぶ)さん(54)は被災者が熱中症にならないか不安とし「被災者宅を巡回する頻度を高めたり、(支援物資の)水を渡したりして見守っていきたい」としている。

扇風機で暑さをしのぐ山浦さん夫妻=25日午後2時、長野市豊野町