国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は26日、昨年10月の台風19号災害時、仮に堤防決壊や越水がなかったと想定した場合、中野市立ケ花の千曲川で毎秒9千トンの水が流れていたと推測できると明らかにした。現行の整備計画は将来、同9千トンを流せるようにするとしているが、それと同規模の水が流れたことになる。
同事務所はこれまで、立ケ花で実際に流れた水を最大で同8387トンと算定していたが、各地の越水や長野市穂保の堤防決壊であふれた水は含んでいなかった。今回の結果は、実際の流れの算定より同約600トン多かった。
国が2014年に作成した「信濃川水系河川整備計画」は千曲川の氾濫を防ぐため、おおむね44年度までに立ケ花で同7300トンを安全に流すことを目標にしている。それ以降は期限を定めていないが、同9千トンまで引き上げるとしている。
国や県、流域自治体が27年度を目標に進める「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」は、遊水地の新設などを実施して立ケ花の流量を減らす予定。水が安全に流れるとされる水位を越えても堤防ぎりぎりで同8600トンを流れるようにし、越水しないようにするとしている。
2020年6月27日
中野市立ケ花の千曲川で毎秒9000トン
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