昨年10月の台風19号で被災した長野市穂保の関ケサミさん(78)宅の一部が5日、地元の穂保区が運営する交流拠点「ほやすみ処(どころ)」として生まれ変わる。地域を離れ、市が借り上げたアパート「みなし仮設」で暮らす住民が多く、新型コロナウイルス感染拡大でイベントが相次いで中止になり交流機会は減っている。準備してきた住民たちは「地元のにぎわい創出につなげたい」と張り切っている。
関さんは2階建て住宅のうち、浸水した1階部分を改修中。8畳間三つ、四畳半が一つある隣接の平屋部分は、市が所有者に代わって行う「公費解体」も検討したが、住宅の一部だけでは認められず、手付かずのままだった。
住民有志らでつくる「穂保希望のつどい実行委員会」が平屋部分の状況を聞き、改修して使いたいと依頼。4月ごろからボランティアらと床や壁を張り替えてきた。
3日は7人が掃除をし、5日午前に開く「オープンを祝う会」で配るもち米を準備。関さんは「多くの人に集まってもらい、復興の拠点になってほしい」。利用方法などは、祝う会に集まった住民らで話し合って決める方針だ。
実行委は昨年12月から地区公民館で月1回、交流イベントを開き、感染拡大で今年3月から自粛。公民館は今後改修のため一部が一時利用できなくなるため、区長の金沢勉さん(63)は「代わりに、お年寄りが気軽に立ち寄れる場になってほしい」と期待している。
2020年7月 4日
被災した自宅の一部 交流拠点に

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