2020年7月15日

決壊現場の上下流 住宅地側に粘性土層

 昨年10月の台風19号で決壊した長野市穂保の千曲川堤防を巡り、国土交通省千曲川河川事務所(長野市)が現場の上下流で行った地質調査の結果、住宅地側で粘り気のある土の層(粘性土層)は最も薄い箇所で厚さ2・25メートルあると確認したことが14日、分かった。地元には、堤防の下に水を通しやすい層があり、決壊の一因になった可能性を指摘する声があるが、同事務所は「水を通しづらい十分な粘性土層を確認した」としている。
 地元住民らは、堤防下への水の浸透を防ぐため、遮水壁となる矢板を未設置区間に打ち込むよう求めていた。同事務所は、調査結果に加え、地下を通った水が住宅地側に噴き出す―といった現象が過去にも確認されていないことから、追加の矢板設置は「不要」との考えを示した。
 国交省は決壊現場の地下が粘性土層で、越水が決壊の主要因とする一方、復旧工事区間140メートルでは浸透防止の矢板を設けた。設置拡大を求める地元の声を受け、6月に追加調査。復旧工事区間の上流側約200メートルと、下流側約500メートルで、それぞれ100メートル間隔で地下の抵抗を元に地質を推定する方式で調べた。
 その結果、堤防の川側では砂利や小石混じりの層の存在も確認されたが、住宅地側は場所によって5メートル以上の粘性土層があったという。同事務所は、今後の梅雨や台風による大雨で「(未設置区間の)堤防基盤で水が噴くような状況があれば、対策をしたい」としている。