2020年8月 8日

災害関連死巡る情報の公表 長野市「遺族の同意」前提

 災害後のけがや病気の悪化、ストレスなどによる死を市町村が認定する「災害関連死」を巡り、長野市が、性別、年代、体調悪化の経緯などの概要公表について「遺族の同意」を前提にしていることが7日、分かった。昨年10月の台風19号災害では、これまでに認定した6人のうち2人について経緯を、1人は年代や性別までも非公表に。関連死を防ぐにはどうすべきか、市民自ら考えるための情報が共有されない懸念がある。
 信濃毎日新聞が情報公開請求で得た文書や市福祉政策課への取材によると、「遺族の同意」は、災害関連死を認定する医師や弁護士らの審査会が6月の会合で了承し、運用を始めた。事務局の同課が、公表すべき情報の範囲の案として、審査件数、認定件数、年代・性別、体調悪化に至る経緯、死因―の5項目を提示。審査件数、認定件数以外は「遺族からの同意を得た場合のみ公表」することを提案したという。
 理由について同課は「当事者や遺族のプライバシーへの配慮」と説明。関連死を防ぐための取り組みは、被災者支援に関わる社会福祉協議会などとの連携も視野に入れているとするが、肝心の情報の扱いについては「少しでも個人の特定につながりかねない。遺族と相談しながら検討していく」としている。