長野市民病院の三浦崇医師(42)=循環器内科副部長=らは27日、台風19号災害に伴う循環器疾患・脳血管疾患の実態調査の報告会を市保健所で開いた。長野市内5病院の全入院患者のデータから、災害発生直後2週間に発症数が増えていると指摘。災害の影響が推定され、避難生活の環境改善や被災者のケアを早期に行う必要があるとした。
過去、避難生活のストレスや血圧上昇などでこれらの疾患が増える傾向があることから調査。昨年10~12月、市民病院、長野赤十字病院、篠ノ井総合病院、長野松代総合病院、長野中央病院に両疾患で緊急入院した患者全823人のデータを、2018年827人、17年776人と比べた。
緊急性の高い「不安定狭心症」の発症数が増加。特に発生直後の2週間(10月13~26日)は他に心不全、急性心筋梗塞、脳出血の発症数も増えた。また、浸水区域内に住む入院患者のうち薬の紛失による内服漏れが約9%あった。
台風19号災害では避難所でエコノミークラス症候群の検査を医師らが行い、10月下旬にエコー検査した37人のうち4人に血栓が見つかり、11月初旬には65人中2人にあった。三浦医師は、今回の調査からもこうした検査や避難所環境などについて「いち早い整備が必要だと感じた。行政や病院、医師同士の連携などのシステムづくりをしたい」と話している。
2020年8月28日
循環器・脳血管疾患 2週間後に発症増
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