国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は11日、千曲川、犀川の流域自治体などが水害時に取る対応を時系列に整理した独自の「流域タイムライン」を試行すると発表した。大雨が降り始める前の状況を示す「流域警戒ステージ」を設けて判断材料を提供し、早めの対応を促す。
昨年10月の台風19号で逃げ遅れた人が出たことがきっかけ。流域自治体は現在、洪水の恐れがある場合に気象庁などが出す4種類の氾濫情報も踏まえ、避難情報の発令などを判断している。
ステージはさらに前の段階を想定。全4段階で、最も危険度が低い1は3〜5日後の台風の予想進路が県内に影響を与える可能性がある場合などを指す。2は48時間以内の予想雨量が多い所で150ミリを基準に、3は気象庁が出す39時間先までの予想雨量から流域の氾濫の可能性がある場合を基準に、それぞれ引き上げを判断。4は現行の警戒レベルを想定する=表。
流域自治体はステージ1〜3で住民への避難呼び掛けの検討を始め、状況に応じて避難所を開設、避難勧告を出すことも想定する。被害が予想される箇所があれば、事前に通行規制をすることもある。
同河川事務所や流域自治体、鉄道各社、電力会社などの関係機関が7月から検討してきた。同河川事務所の浮田博文副所長は「ステージ3で避難勧告を出す自治体もあると思う。流域住民は空振りを恐れず早めの避難をしてほしい」としている。
2020年9月12日
千曲川河川事務所、独自の「流域タイムライン」試行

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