2020年9月15日

千曲川の立ヶ花狭窄部掘削 来年2月着手 28年6月終了予定

 国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は14日、昨年10月の台風19号により長野市穂保の堤防が決壊した千曲川で、下流の中野市にある立ケ花狭窄(きょうさく)部の掘削を来年2月に始めると明らかにした。立ケ花狭窄部は堤防の決壊や周辺の越水の要因になったとされる場所で、飯山市の戸狩狭窄部も同時に掘削に着手する。戸狩は2025年6月、立ケ花は28年6月までに終える予定とした。
 国、県、流域の市町村が27年度までを目標に取り組む「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」の一環。同事務所が記者会見して発表した。
 立ケ花狭窄部は、堤防決壊地点の5キロほど下流から始まる。千曲川の川幅は、決壊現場付近で約1050メートルあるが、立ケ花橋付近では約260メートルとなる。増水時に大量の水が立ケ花でせき止められ、上流の穂保での越水、決壊の要因となったとされる。
 立ケ花の掘削に伴い、中野市と飯山市の計2カ所で予定する遊水地の整備は22年に着手し、28年6月までに終える予定。穂保を含む立ケ花―村山橋(長野市、須坂市)の左岸と右岸の8キロ区間では、堤防の川側と住宅地側を水が浸透しにくい素材で覆う「被覆型」の堤防強化工事を23年6月までに行うとした。同区間の河床掘削も実施する。
 吉田俊康副所長は「あらゆるハード対策を駆使し、段階的に治水対策を進めていきたい」と述べた。

立ケ花橋(手前)付近を流れる千曲川。川幅が狭くなっている=14日、中野市上今井から撮影