2020年10月 6日

被災地のいま 千曲市 96人一緒にすくすくと

 5日、千曲市倉科のあんず保育園の園庭に、玉入れを楽しむあんず、雨宮両保育園の園児たちの歓声が響いた。「雨宮、あんず、関係なく一緒です」。両保育園の赤沼みゆき園長が見守った。
 昨年10月の台風19号。雨宮保育園は、近くを流れる千曲川の支流、沢山川の水があふれ、床上浸水した。園児らはあんず保育園で受け入れた。昨年度は園ごとに別の部屋を使ったが、この春からは園児らが入り交じり、一緒に保育を行っている。
 両保育園では園舎の老朽化などのため統合保育園の整備計画が進んでいた。市は雨宮保育園の仮園舎整備も検討したが、保護者会があんず保育園での保育継続を希望。両保育園は直線距離で約2キロあるものの、統合保育園が2022年に開園するまで合同保育をすることにした。
 園児数はあんずが63人、雨宮が33人。合同保育は園児にも変化をもたらした。雨宮で駆けっこがトップだった園児が、合同保育で勝てなくなった。それでも「勝てなくても最後まで一生懸命走る」と話すようになったという。赤沼園長は「合同で保育できるようになって良かった」。
 中・新田、八幡の両地区では、千曲川の霞(かすみ)堤付近に大型の土のうが積まれている。台風の際、堤防が途切れた開口部から水が住宅地などに流れ込んだ可能性が高いとみて、秋の台風シーズンに向けて市が9月に整備した。
 堤防川側の緑地では9月にマレットゴルフ場が復旧した。この日も朝からプレーを楽しむ人の姿が見られた。ボランティアで草刈りなどをしている春原由雄さん(75)=中=は「やっと台風前の姿が戻ってきた」と話した。
(鈴木淳介)

園庭で玉入れをして遊ぶ雨宮保育園とあんず保育園の園児たち=5日午前11時14分、千曲市倉科のあんず保育園(中村桂吾撮影)