2020年10月 7日

被災地のいま 長野市松代 戻った歓声 収穫も期待

 「グラウンドを走ると風を感じられる」。6日、体育の授業でグラウンドを走った長野市松代小学校4年の原田朝陽君(9)は汗を拭った。
 昨年10月の台風19号災害で神田川が越水して土砂が流入した松代小学校。しばらく使えなかったグラウンドは9月末に凹凸をならす工事を終え、子どもたちの元気な声が響くようになった。この日も4年生はグラウンドを縦横に駆け巡った。
 長野市松代町東寺尾の千曲川河川敷ではこの日、一帯で長芋を栽培する五明秀樹さん(62)=西寺尾=が畑の様子を確かめた。昨年10月の台風19号では千曲川の氾濫で、耕して軟らくした土が厚さ50センチ以上削られ、収穫を控えた長芋が半分ほどむき出しになった。
 日焼けなどの悪影響が出て昨季は約30アールの半分でしか収穫できなかった。「収益も半分になったね」とかみしめるようにぽつりと話した。
 グリーン長野農協(長野市)によると、松代地区を含む管内の長芋販売量は昨年度、前年より14%減の474トンだった。長芋栽培をやめた農家もあり、今季はさらに落ち込む可能性があるという。
 五明さんによると、耕作しなくなった近くの畑には雑草が生え、周辺の畑に広がりやすくなったため、管理の手間も増している。
 土が削られて畑が低くなり水がたまりやすい状況での耕作。雨などで育った芋が傷まないか心配してきた。厳しい残暑もあった。だが、9月の試し掘りではまっすぐな芋が採れ、胸をなで下ろした。
 収穫の時季は11月から。それでも台風シーズンの今は安心しきれない。「また水が漬いたらどうするか...」。予断を許さない状況が続く。
(高橋幹)

復旧したグラウンドで体育の授業をする松代小学校の4年生。元気な声が響いた=6日午後0時8分、長野市松代町松代(有賀史撮影)