東京・銀座にある県情報発信拠点「銀座NAGANO」が24、25日、台風19号災害の県内被災地で収穫されたリンゴやブドウを販売する。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた産地を支援しようと今夏から毎週土曜日に続ける信州食材イベントの一環だ。今月でオープン6周年。大消費地と県内とを結ぶ窓口としての役割に、県内の生産者らも期待を寄せる。
ビル1階の入り口そばにある農産物コーナーで真っ赤なリンゴが目を引く。台風19号災害で被災した長野市赤沼から届けられた新鮮な「秋映」だ。21日夕は平日とあって来客はそこそこだったが、イベント当日の土曜日には大勢でにぎわう。
中野市のリンゴや上伊那郡飯島町のナシを販売した前回17日。横浜市の40代女性は「直接行くにはまだためらいがあるけれど、食べ物も空気もおいしい長野県が好き」。ナシを購入した男性も「ここにシャインマスカットが並んだ日は飛ぶようになくなったよ」と楽しげ。毎週通うファンもできてきた。
このイベントを始めたのは8月。移動や外食の自粛の影響を受けた県内生産者の販路確保につなげようと、これまでにレタスやブドウ、プルーンなどを安価で紹介してきた。南佐久郡南相木村の故郷ふれあい公社はトウモロコシを出荷。それまで都内の飲食店などに卸していたが新型コロナで激減していた。イベントでは計200本出したといい、公社の篠原真也さん(39)は「新たな販路やビジネスチャンスにつなげたい」と今後も出荷するつもりでいる。
24、25日は被災地の現状を伝えるパネル展とともに、長野市や須坂市のリンゴ、ブドウ、みそ、日本酒などを販売する。リンゴ2種類を出品する長野市赤沼の農家、徳永慎吾さん(39)は「被災地のリンゴのことを気に掛けてくれる人もいると思う。こうした場を通じて味わうことで、より多くの人に長野を身近に知ってほしい」と話している。
2020年10月22日
銀座NAGANO 被災地の果物を販売

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