信毎 Housing Station
県内住宅ローン残高、拡大 主要金融機関3月期末
2021年8月25日(水)

 県内主要金融機関(農協グループを含む11金融機関)の2021年3月末の住宅ローン残高は計2兆1107億円で、前期末比3・2%増加したことが24日、信濃毎日新聞のまとめで分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で20年度前半に新設住宅着工戸数が落ち込んだものの、年度後半に逆に需要が増大。低金利などを背景に借り入れ需要は旺盛で、各金融機関は貸し出しに積極的だ。

 11金融機関中、残高の対前期末比増加は10機関。唯一減少した県信用組合は、新型コロナ拡大で「対面営業の機会が失われた」とする。増加したところも、コロナの影響で年度前半は「低調だった」(八十二銀行)、「経済活動の停滞や個人消費の低下で低迷した」(長野銀行)とする。

 県住宅課によると、20年度の県内の新設住宅着工戸数は前年度比2・2%減の1万2152戸。前半は昨年4月の26・2%減、同5月の19・7%減など、大幅に前年度を割り込んだ。感染者数の増加がいったん落ち着いた夏以降に復調。今年2月は30・6%増と大幅に増加した。住宅メーカーも展示場への来場を予約制にするなど感染対策をして対応し、結果的に「コロナの影響はほとんどなかった」(飯田信用金庫)とする金融機関もある。

 長期化する低金利も借り入れを後押しする。変動型の店頭金利は1%以下が常態化しており、「返済金額を抑えられる『全期間変動金利型』の人気がある」(県労働金庫)とする金融機関が多い。預貯金を温存して「頭金なしや、家具・家電購入費用を含めてローンを組む場合も多い」(松本信金)ことから1件当たりの借入額が拡大傾向で、残高全体を押し上げている。

 伸び率が最大だった上田信金は、追加金利負担なしで、がんなどで一定期間就業不能になった場合に保障が付く新商品が好調。長野信金や諏訪信金も同様の付加価値で呼び込む。アルプス中央信金は近年残高が減少していたが、休日ローンセンターを土曜日にも営業したところ増加に転じた。

 県内14農協でつくる県JAバンクは、好調な借り入れ需要が当面続くと見通す。ただ、新型コロナの感染状況や輸入木材価格の高騰による「ウッドショック」で着工戸数が減れば、「金融機関の競争が激化し、さらなる金利低下を招きかねない」と懸念した。

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