信毎 Housing Station
信州発、循環型エコハウス公開 信大、企業と実証実験
2021年11月10日(水)

 信州大先鋭材料研究所(長野市)は9日、実験施設「サーキュラー(循環型)エコハウス」を工学部キャンパス(長野市)に設置し、関係者に公開した。同研究所が開発した結晶材料「信大クリスタル」を組み込んだ浄水システムを備え、雨水を生活用水に使う。今後、浄化槽や太陽光発電パネルなどを設置して実験を重ね、上下水道や電線などのインフラを使わない自己完結型住宅の実現を目指す。

 コンテナ型のエコハウスには雨水の貯留タンクがあり、キッチンやトイレ、洗面台で使う水を賄う。浄水システムには、手嶋勝弥工学部教授(無機材料化学)が開発し、人体に有害な鉛やカドミウムなどの重金属イオンを除去する結晶材料の「三チタン酸ナトリウム」などが使われている。学生に課外活動などの拠点として開放。同様の建物を3棟増設する計画だ。

 壁の内部には、セイコーエプソン(諏訪市)の技術「ドライファイバーテクノロジー」で使用済みの紙から作った新素材を断熱材として使用。今後、断熱性能などを検証する。実証実験には他に、竹村製作所(長野市)や鹿熊組(同)など県内外の企業も参加する。

 エコハウスは場所を選ばず設置でき、被災者向けの住宅や新型コロナウイルス感染者の療養施設などとしての利用が想定できるという。環境負荷を低減でき、手嶋教授は「エコハウスを通じて地球再生につながる価値を創造し、人々の行動変容につなげたい」と話した。

 この日は、結晶材料の生産自動化に向けた実験設備も公開した。

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun