TOP2020年02月堀の浄化実験に3000万円 松本城イメージアップへ予算案
今季最低気温を記録して結氷した松本城の堀。松本市は水の浄化実験に着手する=7日午前7時すぎ

 国宝松本城(松本市)で来年度、観光客らに悪臭が指摘されてきた堀全体の浄化に向けた取り組みが進む。松本市は2020年度松本城特別会計当初予算案に浄化実験の費用3千万円を計上。並行して世界遺産登録に向けたPR動画の制作にも乗り出し、全国的にも貴重な城のイメージアップを図る。

 松本城の堀は内堀、外堀、総堀を合わせて約3万1千平方メートル以上。泥などが堆積し、気温や風向きによって悪臭が指摘されてきた。天守南西の内堀約千平方メートルを「実験場」にして、泥のくみ上げ方や処理方法などを調べる。

 松本城管理事務所によると、堀の一部ではこれまで泥をくみ上げたり、汚れの原因となる藻類を減らす効果がある酸化マグネシウムの粉末をまいたりしてきたが、根本的には解決しなかった。

 実験に基づく本格的な浄化は、費用や観光客らへの影響などを踏まえて処理方法を決め、23年度から始める見通しで、松本城管理事務所の原文彦城郭整備担当課長は「浄化を願う市民や観光客の声に早く応えたい」としている。

 一方、世界遺産登録に向けたPR動画は城の価値や魅力を分かりやすく伝え、国内手続きの第一歩となる「暫定リスト」入りにつなげる狙いだ。20年度一般会計当初予算案に業者への動画制作委託料として318万円を計上。日本語で作り、約5〜10分の映像にまとめる予定という。

 市は世界遺産の姫路城(兵庫県)などと一体的に「日本の近世城郭群」としての登録を目指している。動画では松本城が16世紀末から17世紀初頭の最も盛んに城郭が建てられて工法が発展した時代を象徴していることなども紹介する方針だ。

2020年2月 8日掲載

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