TOP2020年05月松本城の外堀「掘削で復元」 「平面整備」先行から転換 市長意向

 松本市の臥雲義尚市長が、国宝松本城の南側と西側にかつてあった「外堀」を復元する事業について、現行計画を見直して掘削による復元を目指していることが30日、分かった。前市長時代に堀の土壌の汚染が判明し、市は当面掘削せずに堀の範囲だけを示す「平面整備」をする方針だったが、臥雲市長はこれを転換。既に掘削に向けた研究に着手したという。信濃毎日新聞の取材に明らかにした。

 外堀は明治時代に民間に払い下げられ、大正から昭和初めにかけて埋め立てられ、宅地として利用されてきた。松本市教委は1999年度、外堀復元事業を盛った城とその周辺の整備計画を策定。事業用地は約1・1ヘクタール。2013年度に土地取得に着手し、これまでに64・0%を取得した。

 だが、17年度の土壌汚染調査で自然由来の鉛やその化合物を確認。売買契約などに基づくと、撤去費用など概算4億円以上が土地所有者の負担になることから、市は掘削を目指しつつ、当面は平面整備を進めることにした。

 臥雲市長は3月の市長選で外堀復元を公約に掲げ、「あらゆる方法を総動員して松本城周辺の『世界水準の歴史観光エリア』づくりの第一歩として直ちに推し進める」と強調。取材に対し、「平面整備をした場合、その上で外堀を掘り返すには相当なエネルギーが必要。事実上、復元を断念することになる」とし、あくまで掘削を目指す考えを示した。

 昨年4月の土壌汚染対策法改正で、土地所有者に負担させず、「汚染土壌を撤去しなくても、公金で堀を復元する方法が見いだせるとの認識を持っている」とし、実現可能性について研究を進めるという。

 松本城管理事務所によると、平面整備の場合は用地買収が22年度に完了し、24年度に着工、完成する見通し。

2020年5月31日掲載

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