農耕祭祀に使用?「絵画土器」だった 長野で出土の弥生土器

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 長野市埋蔵文化財センターは18日、同市東町の長野遺跡群東町遺跡から1996年に出土した弥生土器が、金属製の刃を長い柄に直角に付けた武器「戈(か)」を持ち、鳥の格好をした人物が描かれた「絵画土器」と判明したと発表した。東日本では初の確認といい、長野盆地で西日本のような農耕祭祀(さいし)が行われていた可能性がある。12月4日から市立博物館で展示する。

 土器は高さ42・4センチ、最大直径26・9センチの壺。北信地方で出土する「栗林式土器」の特徴を持ち、約2千年前の弥生中期後半に長野盆地で作られたとみられる。人物は複数の線で描かれ、頭に羽飾りを着けた鳥装のシャーマン(司祭者)が儀礼を行っている様子と考えられる。

 同センターによると、戈は弥生時代に青銅の武器として朝鮮半島から九州に伝来し、西日本に広がり、その後、祭祀の道具になった。戈を持つ人物が描かれた土器は奈良県より西で確認されている。2007年には中野市の柳沢遺跡で近畿や九州で作られた銅戈が発見されている。

 今回の土器は、98年の長野冬季五輪前に善光寺門前の市中心部で行われた道路改良に伴う市教委の発掘調査で破片が出土。昨年、洗浄し、接合したところ表面に絵を確認した。放射状に亀裂があり、同センターは、儀礼後に意図的に割られたとみている。

 同センターの依頼で9月に分析した奈良県立橿原考古学研究所の橋本裕行特別研究員は「線が太く深くしっかりしたタッチで、迷いなく描いている。種もみを入れて稲作に伴う雨乞いをしたり、邪気をはらう祭りに使ったりしたのではないか」としている。

東町遺跡で出土した絵画土器。戈を持った鳥装の人物が描かれている(中央)=18日、長野市役所
戈を持つ鳥装の人物の想像図(市埋蔵文化財センター提供)

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