国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は22日、2019年の台風19号災害で長野市穂保の堤防が決壊した千曲川で、下流の中野市にある立ケ花狭窄(きょうさく)部の掘削を始めた。立ケ花狭窄部は、川幅が急に狭まり増水時に水がせき止められる形になるため、堤防の決壊や周辺の越水の要因になったとされる場所。増水時に流せる水の量を増やして水害の危険性を低下させる狙いで、27年度末の完了を目指す。
この日は長野市と中野市境の立ケ花橋上流部で、河川敷に堆積した土砂を重機を使って取り除く作業をした。今後、川が増水しない時季に段階的に工事を進め、川底も掘削。上流に整備する遊水地と合わせ、19号災害時の推定最大流量毎秒9千トン(堤防決壊して流れ出た水を含む)に対応できるようにする。
工事は、19号災害を受けて国や県などが取り組む「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」(総事業費1768億円)の一つ。今回は同時に下流の飯山市の戸狩狭窄部でも掘削に着手した。
千曲川河川事務所の担当者は「住民の安全を守るため、計画通りしっかりと工事を進める」としている。
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