東京2020+1の主役へ―挑む長野県勢⑦ 野球・菊池涼介(広島)

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■世界一へ攻守のキーマン

 公開競技だった1984年のロサンゼルス五輪以来の頂点を目指す野球。球界のスターが集結した「侍ジャパン」にとって短期決戦でチームが機能するかがポイントだ。攻守のつなぎ役として期待されるベテランは「稲葉監督の五輪に懸ける思いは強い。チームのために力を発揮したい」と静かに闘志を燃やす。

 最大の魅力は他の追随を許さない守備だ。広い守備範囲に加え、体勢が崩れていても正確な送球で仕留める。昨シーズンは二塁手として史上初の守備率10割を達成し、8年続けてゴールデングラブ賞を獲得。日本代表としても2019年の国際大会「第2回プレミア12」では二塁手として日本の初優勝に貢献し、ベストナインと最優秀守備選手に選ばれた。稲葉監督は「経験豊富で、いかなる状況でも臨機応変に対応できる選手」と全幅の信頼を寄せる。

 武蔵工大二高(現東京都市大塩尻高)時代から片りんを見せていた。当時、監督として指導した大輪弘之さん(77)=塩尻市=は「身長は160センチほどで小柄だったが、肩が強くて反射神経がすごかった」。1年秋から三塁手を任せたのにも理由がある。「最初は遊撃手を任せようと思ったが、とにかくバント処理が素早い。高校野球はバント守備のミスが致命傷になる。だから、菊池に任せた。相手に(セーフティー)バントを成功された覚えはない」と振り返る。

 卒業後は中京学院大(岐阜)に進学。すぐにショートの定位置をつかむと2年の春季リーグで打率、本塁打、打点の三冠に輝いた。打撃の才能も開花させてプロへの道を切り開いた。

 プロ入り後は守備はもちろん、献身的な打撃で首脳陣の信頼をつかんだ。「本塁打や打率を上げたいという思いよりも、チームのために何ができるのか。その思いでずっとプレーしてきた」。通算犠打295(12日現在)は現役2位。16年からのセ・リーグ3連覇に大きく貢献した。

 「五輪は第一線でやっている以上はみんな出たい」と大舞台への思いは強い。チームにつながりを生む「潤滑油」としてどんなプレーを見せてくれるのか。金メダル獲得に向け、攻守のキーマンの一人だ。

〈きくち・りょうすけ〉東京都出身。東大和シニアでプレーし、武蔵工大二高(現東京都市大塩尻高)に進学。1年秋から正三塁手となり、2年時には春季北信越大会に出場した。中京学院大を経てドラフト2位で広島に入団。二塁手として2013年から8年連続でゴールデングラブ賞を獲得。17年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、19年の国際大会「プレミア12」代表。171センチ、68キロ。右投げ右打ち。31歳。

金メダルを狙う「侍ジャパン」で勝負の鍵を握る菊池涼介

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