北アルプス針ノ木小屋 2年ぶり営業 新型コロナ下で運営手探り

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 北アルプス北部の針ノ木峠(2536メートル)にある針ノ木小屋が今月、2年ぶりに営業を始めた。昨年は新型コロナの影響でスタッフがそろわずに休業。今年も態勢は万全とはいえないが、「2年続けて休めない」と手探りの運営で登山客を迎えている。

 周辺は南に槍・穂高連峰、北に白馬連山など北ア全体を見渡せる好立地。小屋を率いる百瀬陽(あきら)さん(31)=大町市=以外のスタッフは今年は5人。針ノ木小屋で働くのはほぼ初めての人ばかりで、一つ一つが覚えながらの作業だ。

 コロナ対策で定員は例年の4割の40人ほど。梅雨明け直後の17日は予約がいっぱいで忙しく準備したが、当日に11人の団体がキャンセル。逆にテント泊は想定の3倍近くと対応に追われた。「食事も机に数人で入れ替えるなど全てが従来と違う。休まる時がない」と百瀬さん。現在は登山道整備まで手が回らない。

 支えになっているのが山岳遭難防止常駐隊だ。針ノ木雪渓や小石が多いザレ場など注意が必要な場所を点検し、情報を共有。百瀬さんと相談し、雪渓の厚みが薄くなった危険箇所を回避するため目印を立てたり、付近に立って注意喚起したりしている。

 隊員の篠原剛さん(41)は「雪渓では進行方向に穴が開いてないか気を配り、小屋近くの登山道は落石がないか注意して」と助言する。雪渓上端の「大岩」と呼ばれる水場近くはここ数日、雨や気温上昇で日ごとに薄くなっている。今年は登山道や小屋の情報を針ノ木小屋のツイッターで随時発信している。

 22日からの4連休は多くの登山者が予想され、百瀬さんは「自分たちの対応能力を超えるかもしれない」と話す。同時に、「営業してくれて安心」という登山客の声を励みに、「9月までの長丁場。みんなが体調を崩さないように気を配ってやっていきたい」と気を引き締めている。

登山道の状況などを共有する百瀬さん(右)と篠原さん=19日、針ノ木峠

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