議事録なき激論 対立したまま報告書案へ 〈アーカイブ 芦部信喜・平和への憲法学〉 第4部 国家と宗教⑥

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靖国神社の第一鳥居(大鳥居)=2019年5月、東京・九段北

 中曽根康弘内閣の私的諮問機関「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」(靖国懇)。戦後初の首相公式参拝につながる論議の議事録は、1985(昭和60)年4月の第12回会合までしか存在が確認されていない。本紙の情報公開請求に対し、内閣官房はことし4月、第13回から最終の第21回までを「不存在」とした。

 このため、第13回以降の議事内容は「佐藤功旧蔵資料」や憲法学者の芦部信喜(のぶよし)ら委員の著作をたどるほかない。

 佐藤功旧蔵資料とは、委員だった憲法学者の佐藤が会合で配られた資料を整理、保管していたものである。靖国懇終了から22年後の2007(平成19)年に国立国会図書館が「新編 靖国神社問題資料集」を刊行するに当たって、何人もの関係者に照会。佐藤が06年に亡くなる前、弟子の上智大教授矢島基美(もとみ)(63)=千曲市出身=に託した大量の蔵書・資料の中から見つかった。

 矢島は佐藤から「これは大事」と、ひもで縛った靖国懇関係の資料を…

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