登山文化の盛り上げを 初心者向け少人数講習も 長野県山岳総合センター〈山と人と信州と〉

北アルプス白馬岳から南方を望む=2021年7月14日午前6時15分

 新型コロナウイルスの感染が比較的落ち着いている中、幅広い人たちに山登りを楽しんでもらおうと、長野県山岳総合センター(大町市)は本年度、小学生からリーダーを目指す人にも対応した講習メニューを用意している。

 登山の機会が限られる小中高校生向けの講習を設けたほか、ロープクライミングなどを少人数で学べる「マウンテン サロン」と銘打った講習も新設。開催校が減りつつある学校登山の回復に向けた教員向けの新講座もあり、新型コロナの影響を受けている登山文化の盛り返しに期待を込めている。

■小中高校生向けや少人数の講座 学校登山の回復も

 季節ごとのメニューを小中学生に楽しんでもらうのが「わくわくチャレンジ教室」。7月末にはセンターに泊まりながら水辺の生物に触れたり、近くの鷹狩山(1164メートル)に登ったり。9月は北アルプスの高瀬渓谷を散策するほか、11月は木の実などを使ったアクセサリー作り、来年2月には雪の鷹狩山のハイキングを予定している。

 一般の高校生を対象にした講習もある。山登りに興味がありながら、経験する機会がなかった生徒たちに応えようと企画。初開催の昨年度は新型コロナの影響で山に入ることができなかったが、本年度は8月11~13日の日程で北ア爺ケ岳(2670メートル)に登る。初日は歩き方や地図の見方、水分補給などを学び、翌日から小屋泊まりで登頂を目指す。

 「マウンテン サロン」は初心者向けの少人数講習だ。「ボルダリング」「ロープクライミング」「登山」の三つに分かれ、未経験者にも対応する。ボルダリングやロープクライミングのメニューの多くは定員が2人まで、登山の読図なども定員は5人までで、受講者が細かい指導を受けながら着実に上達できるようにしている。

 県内の中学校などで受け継がれてきた学校登山は、新型コロナなどの影響で実施校が大きく減少。そこで、教員らを対象にした講習を8月に北アルプスで初めて開催する。長野県体育センター(塩尻市)と連携して定員20人で募集したところ、小中高校の教員ら36人から応募があった。抽せんによる絞り込みも検討したが、全員を受け入れるという。4パーティーに分かれて日帰りで唐松岳(2696メートル)に登る。 

■安全登山の普及へ リーダー養成

 センターは2020年度から、安全登山の普及に向けて、登山のレベルを「ついていける」「自分でいける」「連れていける」の3段階に分けた講習をしている。本年度は「リーダーコース」に力を入れる。雪のない一般の登山道や冬山の初級ルートでリーダーを務める能力を養うのが狙いだ。夏山コースは7、9月に1泊2日の講習が3回、冬山コースは来年1~3月に1泊2日の講習が3回ある。

 小中高校生を対象にした講習に力を入れることについて、傘木靖所長は「パーティーを組んで登山をする中では助け合う場面もある。日頃の生活では体験できない達成感を味わってほしい」。学校登山の講習については「先生方に登山の良さを体験してもらい、そこから学校登山の回復につながればうれしい」と期待している。

 登山技術を身に付ける施設としてセンター内にはボルダリング用の人工壁があるほか、大町市運動公園内には人工岩場が設けられている。

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 長野県山岳総合センターが開催する講習の内容や申し込みは下記のホームページへ。

https://www.sangakusogocenter.com/

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