瞽女唄を伝承する女性に出会う ここへ来るために私は【記事朗読の音声あり】

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三味線を手にする萱森直子さん。「瞽女唄はやればやるほど魅力的ですね」=4月、新潟市の自宅

■いのち響かせて~里枝子さんと越後瞽女唄④

 「あの清冽(せいれつ)な芸が一緒に逝ってしまった。それまでうたい継がれてきたものは、もう誰も聞けない。全部、終わってしまったと思いました」

 東御市のラジオパーソナリティー広沢里枝子さん(63)は2005年4月、「最後の瞽女(ごぜ)」と呼ばれた小林ハルさんが105歳で亡くなったことを知り、ひとり涙を流しました。その4年前にハルさんを訪ね、魂をぶつけてくるような唄声に衝撃を受けていたからです。その後、録音を聞きましたが、直接聞いた唄とは、全く違っていました。

 学生時代に瞽女たちの生き方や歴史について知った里枝子さん。失われたのは、ハルさん1人の芸だけではなく、室町時代の頃から脈々と、目の見えない女性たちが受け継いできた伝統も…。そう感じたのでした。

 「瞽女さんたちは、唄を聞く人に喜んでもらい、自分が生き抜き、そして次の見えない女性たちに残すということに必死だったと思うんですよ。これしか生きる糧がないという時代だったから…