すべらない話(長戸文秀)コラム「硬面軟面」

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底にフェルトが張ってある渓流用の靴。中は足袋のように親指が分かれており足場が狭くても指に力が入りグリップしやすい

 渓流ではぬれて滑る岩もある。ところが滑りそうで滑らない岩もある。見極めるのは難しい。木曽で育った少年時代に、花こう岩が多かった木曽川支流の河岸を跳んで走っていた時代の記憶だ。それから40年ほどたった今夏、こんな靴を買った。

 底にフェルトが張ってあり滑らないのが売りという。このタイプの靴は昔からあったが、「僕は大丈夫」と意地を張る当時の私はつるつると何度滑ってバランスを崩しても、時に転びながらも、買うことはなかった一足を手に入れた。

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 下伊那郡の根羽、平谷村を源流とする矢作(やはぎ)川。平谷村にある源流の1本にこの靴を履いて訪ねてみた。森は深く、透明度が高い川は上流であっても…

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