〈しなの歴史再見〉5、6世紀ごろの古墳から飾り金具 金色の王冠 松本平治めた証し
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■長野県歴史館総合情報課主事 飯島 公子
金(ゴールド)は、古くから貴金属として装飾品や美術工芸品に多用され、長い年月を経ても変化しない輝きは、不老不死や富、最高位の象徴ともされてきた。
金は日本においては、古墳の副葬品に見ることができる。冠や帯金具、耳飾りなどの装飾品、刀装具や武具・馬具類などに施されている。その中でも王位を象徴する天冠・冠帽・冠帽飾りといわれるものが、全国では40例余りが知られ、それらの多くは朝鮮半島に起源を持つ。
県内では桜ケ丘古墳(松本市)の金銅製天冠と、有明古墳群(安曇野市)の「鳳凰(ほうおう)形金銅製飾板」が冠の可能性のある飾り金具として挙げられる。
昭和30(1955)年の発掘調査で見つかった桜ケ丘古墳の天冠(松本市立考古博物館所蔵・展示)は…