これぞ旅、粛々と待つのみ 〈すぐそこにある未知〉石川直樹=思索のノート

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■遠征出発前に空港で参事

 機内で目を覚まし、窓の外を眺めると、自分が乗っている飛行機はまだ滑走路にいた。腕時計を見ると、出発予定時刻からすでに2時間が経過している。飛行機はたびたび遅れるし、まあそんなこともあるだろう、くらいに思って、また居眠りをした。

 もう一度目を覚まして、時計を見る。(ん、3時間も経過している?)これはさすがにおかしい。窓の外を見ると、何やらヘルメット姿の作業員や航空会社のスタッフらしき人が集まり、タイヤが6個もあって車体に「航空局」と大書された赤くてゴツい消防車も来ていた。「こりゃ、なんかあったな…」と思い…