〈しなの歴史再見〉馬産地として政権とつながり 馬具副葬の古墳数 全国で突出の信州

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県立歴史館の常設展示室原始エリアで展示されている「古墳時代の馬と武人」

■長野県歴史館総合情報課 飯島 公子

 県立歴史館(千曲市)には古墳時代の馬を復元した展示がある。馬追い神事や流鏑馬(やぶさめ)、時代絵巻行列など伝統ある行事に馬が登場する場面は少なくない。現代において馬を見かけるのは動物園か牧場、あるいは競馬場くらいではないだろうか。だが、戦前までは家族の一員ような存在であり、耕作や運搬に役立ち、力を貸してくれた身近な動物であった。

 日本列島で馬を多く見かけるようになるのは、古墳時代中期(約1500年前)になってからである。古墳やその近くから馬の骨や馬具(馬を操るための道具や飾り金具…