ハンセン病患者救済に奔走した宣教師の証し、軽井沢町で発見 「リデル」の名、刻まれた石造物

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別荘の表札として使われたとみられる石造物。左に片仮名で「リデル」「ライト」と記してある

 明治期に専門施設「回春病院」を熊本市に設立するなどハンセン病患者救済の先駆者として知られる英国人宣教師ハンナ・リデル(1855~1932年)らが滞在した北佐久郡軽井沢町旧軽井沢の別荘跡地から、名前が刻まれた石造物が見つかった。リデルの軽井沢での活動をうかがい知る物的証拠が町内で確認されたのは初めて。町内や熊本市の顕彰組織の関係者から、救済に人生をささげたリデルと信州との縁を示す証しとして守り伝えたい―と望む声が上がっている。

 石造物は縦81センチ、横27センチ、奥行き16センチ。リデルと、行動を共にしためいのエダ・ハンナ・ライト(1870~1950年)を示す「リデル」「ライト」の文字が英字と片仮名で刻まれ、ハウスナンバーも記してある。

 一帯を所有する横浜市の男性と長年交流のある元日本大芸術学部教授の立石弘道さん(82)=東京=と、古い建物の調査、保存活動をしている一般社団法人軽井沢ナショナルトラスト代表理事の柴崎雅寿さん(43)=軽井沢町=が、敷地隅の地中から発見した。柴崎さんは「別荘の表札代わりに置かれた可能性がある」。一帯では、リデルの愛犬の墓石とみられる石造物も…

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