「逃げずに勇気出してやってみる」 長野盲学校の生徒が「自分の主張」伝える全国大会出場

クラスメートに全国大会の手応えを話す井出さん(左)

 県長野盲学校(長野市)中学部3年で弱視の井出真奈史(まなみ)さん(15)=南牧村=が、都内で今月開いた「少年の主張全国大会」(国立青少年教育振興機構主催)に出場した。県内から同校など特別支援学校の生徒が出場するのは初めて。井出さんはともに出場した同世代に刺激を受けつつ、「社会に障害者がいるんだと、いろいろな人に知ってもらう機会になればうれしい」と話している。

 井出さんの主張のタイトルは「『自立』というかたち」。視力の低下を感じ始めた小学校高学年から、周囲の友人とうまくいかなくなり自信を失っていたが、バス停で迷っていた高齢の女性を助けた経験を紹介した。「目のことを言い訳にしない」「苦手なことも逃げずに勇気を出してやってみる」と考えるようになるまでの経緯を紹介し、結びでは「自分の力で真っすぐ立ち向かっていく」と力強く誓った。

 井出さんの主張は9月の県大会で県知事賞に選ばれ、作文審査などで関東・甲信越静ブロック代表者に選出。今月12日の全国大会に進んだ。出場した他の11人は交通事故の後遺症があったり、アフガニスタンの紛争で祖母を亡くしたりと、それぞれの困難を乗り越えた思いを訴えた。

 「同世代もいろいろなことを感じているんだと学んだ」と井出さん。これまで同校以外の友人は少なく、新たな気付きも得られたという。間もなく高校受験も控える中、将来に向けて一歩ずつ歩みを進めていこうと考えている。