経費約1億円増の路線バス事業 松本市の「公設民営化」、財政負担にらみ難しいかじ取り
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■〈中核市松本の未来像は 来春市長選へ⑰ 第5部 次代を見据えた公共交通㊤〉
城下町の名残で道幅が狭く、一方通行の道路も多い松本市街地。渋滞が慢性化し、公共交通の活用推進が求められる一方、路線バスは利用が低迷し、収支が厳しい。市は本年度から路線バスの「公設民営化」に踏み切り、路線網の維持と利用促進に腐心する。新型コロナ禍の影響が和らぎ、広域的な人の移動が回復する中、県営松本空港を利用する人の利便性向上も中長期的な課題だ。連載第5部では、次代を見据えた公共交通の在り方を考える。
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「本数が増えてくれて良かった」。13日、通院のため松本市島立の県松本合同庁舎前で松本駅行きの路線バスを待っていた地元の女性(88)がつぶやいた。以前は乗りたい時間に合庁前を出発する便がなく、少し離れたバス停まで歩くこともあり、「高齢者にとってうれしい」と話した。
市は11日、ルートを刷新して