飯田東中生、金融や株価の仕組み学ぶ 証券会社社員が講師

金融についての解説を真剣に聞く飯田東中の生徒たち

 飯田市の飯田東中学校は21日、3年生約60人の社会科の授業に、いちよし証券(東京)の社員を講師として迎えた。金融を通して社会への理解を深める狙い。生徒たちは株価や金融商品の仕組みなどを学びながら、身の回りのお金の動きに思いを巡らせた。

 投資情報調査を担う社員2人が、金融商品の種類や株式の役割を説明。「長野県に株式会社や上場企業は何社あると思いますか」など身近な問いを投げかけた。有名企業の株価を示すグラフを見せて、新製品発表や不祥事で株価が変動することも解説した。

 同証券は今年から全国で出前授業に取り組んでおり、同校では3年生の授業の進み具合に合わせて株式会社について扱うことにしたという。社会科の小沢未来教諭(36)は「専門知識を多く使った授業に、生徒たちが目を輝かせていた。(教員の)自分たちでは難しい高度な授業でありがたい」と話した。

 熊谷孔希さん(15)は「身近なニュースが株価と関係していると分かった。親にもどんな金融商品を持っているか聞いてみたい」。講師を務めた同証券投資情報部主任の樋尾俊樹さん(31)は「金融について学ぶ機会は大人になっても少ない。この出前授業が、お金について考える一つのきっかけになればいい」と期待していた。