• 五色のメビウス 第1部・技能実習のひずみ③ 「稼ぐために」各地を転々

       目の前に広がる青い海と白い砂浜とは対照的に心は暗かった。「給料、払ってください」。2020年1月上旬の朝、ベトナム人の元技能実習生ヒゥイさん(35)は、沖縄本島北部にある古宇利(こうり)島(沖縄県今帰仁(なきじん)村)のリゾートホテルの建設現場に着くなり、現場を取り仕切っていた「一人親方」の男性に詰め寄った。

      スマートフォンで「トウキョウバイト」のSNS画面を見るヒゥイさん。ベトナム人が日本での仕事に関する情報をやりとりしている=2020年11月
    • 五色のメビウス 第1部・技能実習のひずみ② 「借金も返せない…」失踪

       「きついな…」。重さ20キロ超の鉄筋の束が肩に食い込む。2020年6月中旬、東京都内の大型ビル建設現場。当時技能実習生だったベトナム人のティンさん(22)=仮名=は、ため息をついた。

      元技能実習生のティンさん(仮名)が失踪前に働いていた大型ビルの建設現場=2020年12月18日、東京都内
    • 五色のメビウス 第1部・技能実習のひずみ① 日本人と待遇差「切ない」

       トラクターのライトが放つ光の周辺で、淡い光が点々と闇夜に浮かぶ。八ケ岳連峰と秩父山地に囲まれた標高千メートル超の南佐久郡川上村。国内生産量トップを誇るレタスの収穫は、日光で葉が傷まぬよう、午前2時に始まる。

      虹が架かる山々を眺めながらたたずむ元技能実習生のヒゥイさん=2020年11月、川上村
    • 五色のメビウス・プロローグ① 八ヶ岳の裾野 膨らむ希望

       「暖かくなったら、畑の石拾いから始めよう」  「はい、頑張ります」  長野、山梨両県にまたがる八ケ岳の裾野に広がる南佐久郡南牧村。青空がのぞいた1日朝、標高1200メートルの畑を農場主の高見沢淳(あつし)さん(37)と歩きながら、ベトナム人のダオ・ヴァン・ノさん(24)は希望を膨らませた。

      元日の朝、畑を歩きながら新年への思いを語り合う高見沢さん(手前右)とノさん(左)ら=1月1日、南牧村
    • 五色のメビウス・プロローグ② 光放つ「五色」の若者

       多様な外国人の若者が信州、そして全国の経済と私たちの暮らしを支えている。早朝深夜の業務や単調な作業といった日本の若者がなかなか応じない仕事から、地方で人材確保が難しい高度な技術職まで-。技能実習は対象職種が広がり、最長期間が3年から5年に延長。専門的・技術的な就労目的の在留資格も受け入れが進む。

      使った車いすを消毒する技能実習生のテゥシさん(左)とエカさん=2020年12月21日、大町市
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