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震災と文学⑦ 忘れていないと伝えたい
東日本大震災があった2011年の秋に仕事で東北に行く機会があり、地元の人に宮城県名取市の沿岸部に連れて行ってもらいました。見渡す限り津波に流され、住宅の基礎部分しか残っていない光景を見て「日本国民全員ここに来なきゃ駄目だ」と思いましたね。
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震災と文学⑥ 忘れぬよう いつも心の中に
東日本大震災は津波の被害が非常に大きかったことに加え、原子力発電所の水素爆発が起こりました。原発事故が発生し、自分がこの日本の成り立ちについて分かっていなかった、原発というものについてあまり考えてこなかった―と振り返らざるを得なかった。
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震災と文学⑤ 亡くなった人たち見ている
東日本大震災を経験してから、短歌の表現を工夫したり、こねくり回したりということができなくなりました。「こういうふうに表現してもいいかな」と書いてみるのですが、「そんな気取った表現は駄目」と短歌に言われる。自分から出てきたままの表現でないと生理的に受け付けないのです。
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震災と文学④ 生者と死者の声 拾い上げる
福島第1原発事故により福島県大熊町や浪江町などには今もまだ人の住めない地域があります。津波で人が亡くなっても、新しい家族をつくったり、他の土地から人が移住してきたりして復興できます。原発事故後の福島には簡単に復興できなくなってしまった時間を感じ、詩に書くべきだと思いました。
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震災と文学③ あの日に向き合うしかない
俳人仲間たちに励まされて2012年に出版した第5句集「龍宮」は、津波で無念の死を迎えざるを得なかった人々への鎮魂の思いを込めた震災詠を中心に編みました。1月発表の第6句集「泥天使」は、時がたち東日本大震災直後の生々しさが引けて、残った上澄みを詠んだようなイメージの世界になりました。
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震災と文学② 今しかない自然の捉え方を
2013年夏、知人の紹介で福島県いわき市や富岡町、楢葉町などを訪れ、たくさんの人の話を聞きました。 江戸時代から住んでいた祖先の墓の近くに住めなくなりアイデンティティーが失われる。その感覚は、東京生まれの私にはないものでした。
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震災と文学① 「眠っていた自分」への怒り
戦後最悪の災害となった2011年3月11日の東日本大震災から間もなく10年になる。発生後、津波被害や福島第1原発事故を題材にした文学作品が数多く発表されてきた。震災に向き合い、言葉を紡いできた作家らは今をどう捉えているのか、創作活動や社会に対する思いを語ってもらう。
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人の姿と恐ろしさと希望 松本で串田和美演出「真冬のバーレスク」
夢か現実か。人間の姿と底知れぬ恐ろしさ、希望がそこにある―。松本市のまつもと市民芸術館芸術監督の串田和美(78)が演出し、音楽と踊り、演劇で織りなす「真冬のバーレスク ボードビル3部作」が17~22日、市内の信毎メディアガーデンで上演される。
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権力機関の危険性 自覚あるか 〈ジャーナリスト・青木理さん〉
小諸市出身のジャーナリスト青木理さん(54)は、緊急事態宣言の発令や、入院拒否などに罰則を科す改正法を巡り、一貫して私権の制限に反対してきた。そこには公安警察など国家権力の奥深くに迫る取材に裏打ちされた思索がある。新型コロナウイルスの大波に揺れる社会の中で、立ち止まって考えたい。
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新型コロナ・表現のいま〈手塚真監督〉 どう生きる 今の時代に問う
不安を抱えながらも逃げ場のない苦しさ、怖さがある中でどう生きていくのか。坂口安吾の小説をヴィジュアリストの手塚真(59)が実写化し、1999年に公開した映画「白痴」のデジタルリマスター版が30日から長野、上田、松本市で相次いで公開される。
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分断と孤独の中 響く名作 舞台「セールスマンの死」松本で30日上演
米国の劇作家アーサー・ミラーの不朽の名作「セールスマンの死」が、長塚圭史(45)の演出でおよそ2年ぶりに再演され、松本市のまつもと市民芸術館で30日に上演される。KAAT神奈川芸術劇場(横浜市)で幕が上がる前日、神奈川を含む1都3県に緊急事態宣言が再発令される事態に。新型コロナウイルスのまん延で社会の分断が進み、孤独感が深まる中、「死や老いの問題がかなりビビッドに響くと感じる」と話す。
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声旬(seishun)真っただ中㊦ 「継続は力なり」恩師の言葉胸に
聴いた瞬間、体が動き、思わず踊りだしたくなる。人気作品に多数出演している声優の羽多野渉が、昨年末に発表した10枚目のシングル「Never End! Summer!」。新型コロナの影響で部活動の大会が中止されるなど夏を楽しめなかった人に向けたアップチューンは、せめて音楽の世界では青春の季節を謳歌(おうか)して―という願いが込められる。
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苦しんだ先に見えた景色は、憧れだった時よりも、素晴らしかった 声優・歌手 長野市出身の新田恵海さん
キュートな声で、アニメを見る人の心をつかむ声優・歌手の新田恵海さん(32)=長野市出身。音楽活動に…
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新田恵海さん キャラクターの気持ち、歌に
アニメソングを歌う歌手のオーディションに合格したことがきっかけで、声優になった異色の新人が新田恵海…
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長野出身・新田恵海さん、初の紅白へ 「ラブライブ!」声優グループで出場 初アルバムも
長野市出身の声優、新田恵海(えみ)さん(30)がデビューから5年を迎え、自身名義の初アルバムを発表…
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心は被災した故郷信州に 新田恵海さん「復興に向けて一緒に」ツイッターで発信
「#ずくだせ長野」―。長野市出身の人気声優新田恵海(えみ)さん(33)が、台風19号で被害を受けた…
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アルピコ交通がイベント列車 「渕東なぎさ」の声優新田さんと県内外の100人、小旅行楽しむ
アルピコ交通(松本市)は11日、松本市内を走る上高地線電車のイメージキャラクター「渕東(えんどう)…
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無観客でも「気持ち届く」 長野出身の声優・歌手新田恵海さんが地元ライブハウスで生配信
長野市出身の声優で歌手の新田恵海(えみ)さん(34)が20日、同市の「ライブハウスJ」が生配信した…
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声旬(seishun)真っただ中㊤ 故郷への想い パワーの源
「苦しさを知らなければ幸せを味わえなかった。ただ明るい所にいたのでは後ろにできる陰も見られなかった」。人懐っこい笑顔で新田恵海がきっぱりと放つ言葉に、これまでの歩みが重なる。