保守派の鍵握る萩生田氏 自民・安倍派から政調会長〈政界探見〉
■首相が信頼 派内世代間闘争恐れも
今回の内閣改造・自民党役員人事で、最大派閥安倍派の処遇が焦点の一つとなった。領袖(りょうしゅう)だった安倍晋三元首相の死去後、岸田文雄首相(党総裁)がどう対応するかに注目が集まり、結果は党四役の政調会長と4閣僚に起用。その中で、今後のキーマンと目されるのが、安倍氏の最側近だった萩生田光一・新政調会長だ。同派を含む保守派の「抑え役」を期待されての起用は、一方で派内の世代間闘争を誘発し、党の権力バランスに影響を与える可能性もはらむ。
「総裁にならって『聞く力』を発揮し、時には『聞かない力』も発揮しながら、結果を出すことに全力を尽くしたい」。萩生田氏は10日の就任記者会見でこう強調した。
2003年衆院選の初当選から一貫して安倍氏と政治行動を共にし、第2次安倍政権の発足以降は官房副長官、文部科学相などを歴任。森喜朗元首相や麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長とも良好な関係を築き、多くの関係者が「安倍氏は萩生田氏を自身の後継と期待していた」と口をそろえる。
先の参院選中に安倍氏が銃撃され亡くなると、安倍派の後継体制を巡り、幹部7人の…