〈語らいシネマ広場〉信州が舞台、ロケ地の映画 「野菊の如き君なりき」など
今月のテーマは「信州が舞台、ロケ地の映画」。身近な場所で撮影されると、その一作とのかかわり方もいっそう味わい深くなるのですね。紹介する6本からは、信州は広い! と改めて感じます。
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■「野菊の如(ごと)き君なりき」(1955年)
ほぼ無名の若い2人が主役ですが、脇を固める笠智衆、杉村春子らの名演で、いちばん、伊藤左千夫の原作「野菊の墓」らしいと思います。時のアイドル山口百恵、松田聖子が主演した「野菊の墓」もありますが、アイドルにあの切なさは演じきれるものではないと思うのです。「ここが真田公園(長野市松代町)」と一緒に観ていた父が教えてくれたシーンが見慣れた風景で、感慨深かったです。
(シドギャ・50代・長野市)
■「飼育」(1961年)
大江健三郎原作で…