開花後から夏に向けての手入れ 次の芽のため 切り戻し(姫野由紀)
■ようこそバラの世界へ⑨~姫野由紀
6月に入ると諏訪郡富士見町にある農場は屋外のバラが開花の盛りを迎えます。一方でハウス内の株は花後の手入れに忙しい時季です。
今回は花後から夏に向けての管理のポイントをお伝えします。ローズヒップ(実)を楽しむ品種以外は、終わった花は葉を1、2段、花茎に付けた状態で切り戻します。花首だけで切ってしまうと枝が柔らかく、次に上がる芽も弱くなります。かといってあまり深切りすると枝が硬すぎて、次の芽の上がりが遅くなります。成長期のため、できるだけ多くの葉を残すことがポイントです。
切り戻しは本来、花が終わってからではなく、盛りを過ぎたら早めに行うことが望ましく、これを「凋花(ちょうか)切り」と呼びます。実はこの違いは次の芽吹きに大きな差を与えます。枝が硬くなる前に切り戻すことで次の芽吹きが確実に早まります。私は花後の芽吹きを見るのがとても好きです。みずみずしい若葉の芽吹きは…