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子ども医療費「無料化」開始 9町村は「完全無料化」

県内で「窓口無料化」が始まり、新しい受給者証を持参して子どもの医療費を支払う保護者(右)=長野市の田中小児科医院県内で「窓口無料化」が始まり、新しい受給者証を持参して子どもの医療費を支払う保護者(右)=長野市の田中小児科医院
 県内77市町村で1日、子どもの医療費について、医療機関での支払いが最大500円の受給者負担金のみとなる「窓口無料化」が始まった。受給者負担金の支払いも求めない「完全無料化」の自治体は、従来の諏訪郡原村の1村から9町村に拡大。保護者からは利便性の向上を歓迎する声が上がる一方、医療機関からは不要不急の受診増加への懸念も聞かれた。

 「新しい受給者証はお持ちですか」。1日午前、長野市の田中小児科医院。窓口で職員が保護者に声を掛けた。近所の主婦、綿田千裕さん(33)はとびひにかかった次男瑞月(みづき)ちゃん(5)と来院。千裕さんは4児の母で「きょうだいが同時に風邪をひくと、窓口での支払いに負担感があった」と言い、窓口無料化で「受診しやすくなった」と話した。

 同医院では同日午前、普段より混み合うこともなく順調に診察が進んだ。ただ、医療事務担当の小崎篤朗さん(42)は「(窓口での負担額軽減で)休日当番医などに不要不急の患者が増えると、本当に手当てが必要な患者が待たされる恐れもある」と指摘。「行政は改めて当番医の適正利用を呼び掛けてほしい」と話した。

 子どもの医療費は、一定の年齢まで自己負担分を県と市町村が助成している。これまでは、保護者がいったん医療機関の窓口で支払い、2〜3カ月後に市町村から保護者の口座に振り込まれる方式だった。1日からは市町村が医療機関に支払うため、保護者の医療機関での支払いは月1回発行されるレセプト(診療報酬明細書)当たり最大500円の受給者負担金のみとなる。

 窓口無料化の対象範囲は市町村により異なり、飯田市や小諸市など55市町村は「高校卒業(18歳)まで」、長野市や松本市など20市村は「15歳まで」。伊那と駒ケ根の2市は通院が「15歳まで」、入院が「18歳まで」としている。

 県健康福祉政策課によると、子どもの医療費助成での窓口無料化は、これまでに39都府県が導入しており、長野県は40番目となる。

(8月1日)

長野県のニュース(8月1日)