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住宅ローン残高拡大続く 金融緩和追い風

 県内主要金融機関(農協グループを含む11金融機関)の2018年3月期末の住宅ローン残高は計1兆9304億円で、前期末比1・8%増えたことが9日、信濃毎日新聞のまとめで分かった。日銀の金融緩和による金利低下を追い風に、残高の拡大基調が続いている。来年10月には消費税増税を控え、駆け込み需要を当て込んだ顧客獲得競争が過熱する可能性もある。

 残高が前期末比で増加したのは8機関。伸び率が最も大きかったのは県労働金庫の6・2%だった。県労金は昨年11月、松本市内に二つ目のローンセンターを設置し、県内9センター体制に拡大。担当者は「住宅メーカーに営業する担当者を増やした。(拠点を設けた)松本地域は好調」と説明する。

 上田信用金庫も地域の不動産業者や工務店との連携が奏功し、4・0%増。「顧客の囲い込み策が順調で、ローンセンターの休日相談者が増えた」とする。残高合計に占める割合が4割を超える八十二銀行も「大手ハウスメーカーや地場の中堅住宅建築業者の営業担当者との関係構築が進んでいる」とする。

 一方、アルプス中央信用金庫の残高は3・2%減。同金庫業務推進部の担当者は「下げ止まらない金利競争に立ち入らないスタンスでやってきた」とする。ただ「住宅ローン以外の顧客の減少につながる恐れがあり、対策を検討している」とも話す。

 県によると、18年3月末までの1年間の新設住宅着工戸数は1万2020戸で、前年と比べて0・1%減と横ばい水準。従来の高い金利からの借り換え需要も一服したとする金融機関が多い。だが、消費税率が10%に引き上げられる来年10月より前に建物引き渡しが完了すれば引き上げ前の8%が適用されるため、今後の駆け込み需要の増加を期待する金融機関もある。

 八十二銀行は今年6月、住宅完成前に住宅ローンを一括融資する手法を導入。完成まで「つなぎ融資」を受ける必要があった従来手法を改め、利便性を高めた。長野銀行は4月、住宅ローンの担当者を7人増の15人に増員。6月には、借り手が死亡した場合などに残高が保険金で支払われる団体信用生命保険(団信)の新商品を追加した。

 金利は全国的に、固定型より当面の金利が低い変動型を選ぶ住宅ローン利用者が増えている。県内でも、変動型の利用が前期末比で5・6%増え、固定型(0・8%増)より伸び率が高かった。

(8月10日)

長野県のニュース(8月10日)